2016年12月。

フクちゃんの正式譲渡が決まったので、マロの主治医の動物病院で健康診断をやって貰うことにしました。

(フクちゃんってどんな子?という方はこちらをご覧ください)

動物病院へ

ここ数日、フクちゃんの食欲がちょっぴり落ちていましたが、それまでが大食漢だったので、あまり気にしていませんでした。

元野良なので、やっと家猫生活にも慣れてきて、慌てて食べる必要が無いことに気づいたかな?なんてのん気に考えていたのですが、今思えばしっかりと兆候が現れていたようです。

フクちゃんを動物病院に連れて行くのに、マロが使っていたキャリーバッグでいいかなと思っていたのですが、「二人とも病気になったらどうするの!」と、ごもっともな意見を頂きました。さらに「フクちゃんは抱っこ派だからスリングがいいね」と言うので、Amazonで安いやつをポチりました。「単にアンタが抱っこしたいだけでしょ!」という言葉を飲み込んで。抱っこの機会を増やそうという魂胆が見え見えです。

動物病院は、徒歩で15分くらいの所に有ります。天気が良かったのが幸いでした。都内は風がちょっと冷たいですが、雪は有りません。

動物病院にて

待合室ではスリングから出たがっていましたが、特に暴れるようなことも有りませんでした。

診察室の中でスリングから出され、先生に体をチェックされている間も大人しくしていました。外見上の所見も特に問題ないそうです。

血液検査のため足の辺りから採血しましたが、大人しいものです。
検査結果が出るまでしばらく待ちです。
「帰ったらご褒美におやつあげよう」などと同居人と話していると、深刻な表情の先生がやってきて、ちょっと問題がありそうとのこと...

え?

詳しい結果が出るまでもうしばらくお待ちくださいと言われ、二人で顔を見合わせました。
ここまでとても順調だったのですが、一気に不安になりました。

結果は、肝臓の数値に異常があるということでした。
血液検査結果表

特に、GPTという検査項目は正常値の30倍近い数値です。先生も見たこと無い数値とのこと...

即入院となりました。

放心状態で帰宅

病院へ向かう間はスリングで嬉しそうに抱っこしてた同居人も、帰り道では何も言いません。病院で先生の説明を聞いている間、ショックで涙ぐんでいました。

私は不謹慎ですが、入院費用がどのくらいかかるのかとても不安でした。おおよその期間と費用を先生に教えて頂いていたので、その期間で済むならかろうじて賞与で賄えるけど...などとお金のことしか考えていませんでした。

家に着いて、二人だけで帰ってきた私たちを見るマロのちょっと不思議そうな顔が今でも目に焼き付いています。
その顔を思い出すといつも涙腺が緩んでしまいます。
「フクちゃん入院になっちゃったよ。心配だね」と声をかけますが、マロは決して悲しそうな顔はしません。ただ、小首をかしげてじっと見つめて来るだけでした。

約10日間の入院

入院中、同居人はほぼ毎日面会に行きました。平日、私は勤めがあるので彼女の話を聞くだけです。

フクちゃんは同居人に抱っこされると顔をなめてくれるそうです。(同居人曰く、「いい子いい子」してくれる)

初日はほとんど食べなかったようですが、点滴の治療効果により食欲が少しずつ戻って来てるとのことでした。

先生から、今なら保護団体に返すという選択も取れるのでは?という話も出たそうですが、返すという考えは私の頭に有りませんでした。理由は、

  • 病気が発覚したから返すというのはなんか違うと思った
  • 約一ヶ月のお試し期間で、既にフクちゃんは家族の一員になっていた
  • マロもきっと寂しがる

と言ったところです。

週末になって、私もお見舞いに行きました。

フクちゃんは頑丈そうなケージの中で、首にカラーを巻いて寝そべっていました。
前足には点滴のための留置針がついていて、それを噛みちぎろうとするため、普段はカラーを巻いているとのことでした。なかなかに痛々しい姿です。

家にいる間、フクちゃんは私にはまだ慣れていないような素振りを見せていました。私の動作を少し警戒しているような感じだったのです。(同居人に言わせると、動きがガサツとのことです。ほっとけ)

カラーを外して、抱っこしてあげました。しきりに留置針のテーピングを気にしてましたが、大人しく抱っこされてます。
姿は痛々しいですが、尻尾はいつも通りクネクネとよく動き、機嫌も良さそうでした。

肝臓の数値も正常値に比べればまだ高めですが、だいふ下がってきました。
ご飯もよく食べるようになってきたので、クリスマスくらいには退院できるでしょうとのことでした。ひと安心です。

それから数日して、無事退院できました。

原因と対策

肝臓の障害はいろいろな原因が考えられるようで、確定診断を出すには生検が必要とのことでした。手術が必要です。

体の小さな猫にとって、麻酔や外科手術は大変な負担になるらしく、特別な理由が無ければ避けたいとのことでした。

当時は私に知識が不足していて、簡単には納得出来ませんでしたが、今ならある程度理解出来ます。

メスの場合は避妊手術の時にあわせて生検することもあるというのをネットで知りました。
フクちゃんは既に避妊済みなので、もう難しいです。

対策としては、肝臓ケア用の療法食と投薬ということになりました。

がんばろうね、フクちゃん。